HCD/UX/サービスデザインStep 4

HCD-Net東海

UXデザイン連続セミナー2019年度

井登 友一さん

 

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こんにちは。杉山果那です!すっかり寒くなりましたね。

 

とうとう次でラストの講義なので、今までのセミナーや懇親会を通して最近感じたことを、綴ろうと思います。あくまでも私の感じたこと、まだペーペーの学生の意見なので、温かい目で見てください。

 

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 最近感じるようになったこと。

 

「日本が生み出したサービスで、ずっと残り続けているサービス、愛され続けているサービスってなんだろう」

 

 

考えて見たものの、伝統工芸品や洗練された製品といったモノしか浮かびませんでした。

 

 まだ歴史は浅いですが、サービスならメルカリとかでしょうか。メルカリを見ることが習慣になっている人もいるし、売ることを娯楽として楽しんでいる人もいる。生活の一部までにしているところは、サービスとして優れていると感じました。

 

でもやはりアプリを入れて、いざ売るという瞬間にきたとき、「めんどくさい」「本当に売れるのかな」と不安を抱き、「あとでやろう」となってしまう人もまだいるのではないでしょうか。いまのメルカリは、この不安を払拭しきっているのだろうか。(実際に私がそのような状態になったからですが笑)

 

 

これらを考えていた時、私の頭の中には「糸」が浮かび上がりました。

私がいう糸とは、「ターゲットとするユーザーに確実にサービスを届けるためのチャネル」です。

サービスや製品をリリースする上で、ユーザーと結びつける「糸」が大事なのではないかと感じました。

 

糸を結ぶためには、まずはリサーチやユーザー行動のモデル化などと言った全体の設計を行うことが必要です。

 

これは絶対ヒットすると感じた製品やサービスでも、設計がしっかり考られていないと、糸はユーザーに結ばれることはないのです。そのため、設計を怠っては糸は結ばれることなく、永遠独身サービスになります。恐ろしいですね。

 

 

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独身サービス




さて、糸を結びつけることができたとしても、その後の糸の行方は様々です。

 

 

1.結びついていることに気づかない

2.結びついて引っ張っている最中に切ってしまう

 

 

1.結びついていることに気づかない

 

  サービスを結びつけても、気づいてもらわなければ結局意味がないのです。サービスを知るきっかけ作りが確実に提供されていないと、糸が繋がれたままの状態で、引っ張られることなくいつしか消えてしまいます。

 そのため、ユーザーが糸を引っ張るというアクションができるように促す仕組み作りが大切になってきます。アクションをどうさせるかの設計も怠ってはいけませんね。

 

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糸に気づかない

 

2.結びついて引っ張っている最中に切ってしまう

 

 糸に気づいて、いざ引っ張ろうとしている最中に、ユーザーにとって嫌なことがあると引っ張ることをやめてしまいます。

 

例えば、個人情報などを登録する画面で、「なかなか登録が終わらない」「終わりが見えない」となると面倒と感じてしまい、「また今度でもいいや」と離脱してしまいます。糸を引っ張るのをやめてしまうのです。

 

また引っ張ってくれるのならいいですが、大抵放置してしまい、いずれ糸は切れてしまうでしょう。このように、引っ張っている最中も注意しなければならないのです。どうすれば、ユーザーは確実にサービス使用してくれるのか考えることも非常に大切ですね。

 

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引っ張る

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糸を切る

 


 

さてさて、引っ張った後も油断してはいけません。引っ張った後に、使うか使わないかが判断されるです。必要ないと思われたら、切られてしまいますし、必要と思ったらとりあえず使用してくれるでしょう。

 

そして、いざユーザーが使ってくれることになっても、それを持続させなければならないのです。そこから、糸の行方がまた変わってきます。

 

 

1.サービスがなくてはいけない存在になる。生活の一部になり、糸が固く結ばれる。

2.途中で不必要になり、糸が切られる。

 

 

1のように「このサービスなしでは生きていけない!」と糸を強く結びつけてくれたら、サービスとしては成功でしょう。

 

しかし、2にもなりうる可能性はどのサービスも永遠とあるのです。糸がずっと引っ張られた状態でいるには、ユーザーの変化をいち早く察知し、それをサービスに取り入れることが大切です。

ユーザーの気持ちや行動は、常に変化します。その変化についていけなくなると、ユーザーにとっては、「これもう必要ないや」「なんでこれ使っていたんだっけ」といった状態になり、糸はすぐに切られてしまいます。

 

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愛され続けるサービス

 

こうしてみると、糸を結ぶことから糸が固く結ばれるようになるまで常に注意を払わなければなりません。

 

愛され続けるサービスを考えるのは、相当大変ですね

 

 

「日本が生み出したサービスで、ずっと残り続けているサービス、愛され続けているサービスってなんだろう」

 

答えは結局出ませんでした。自分の知識不足だけだと思いますが、そんな多くはないだろうとは感じました。

 

理由は、ユーザーに寄り添った設計をしたとしても、それを理解してくれる上の人が少ない。あるいはいない。ユーザー調査やリサーチに時間をかけさせてくれない。

といったことが原因なのではないでしょうか。これは懇親会で話題に出てきたもので、これを聞いて、そもそも愛され続けるサービスを作る機会さえ、ろくに与えてもらえていないのかと思いました。

 

やっとの思いで設計しても、上に見せたら、売上のための調整や突然の上からの意見で変えなければならないところは出てくるでしょう。その意見が設計を理解した上での考えならまだしも、ただの思いつきでは、こちらとしてはありがた迷惑な意見になります。アドバイス通り修正したことで設計全体を調整しなければならなくなったり、設計自体が無駄になってしまうこともありそう。(私はまだ働いていないため、不確実な考えですが。)

 

そもそも上の人が理解してくれない人ならば、ユーザー調査もさせてくれないのでしょうか。

 

納期が近いから、予算がないから、リサーチを行うメリットが不確実だからと言った理由で、ユーザー調査を怠ってしまうのは非常に勿体無いです。なんとなく今の日本の企業では、こういう事態が多く起こっているから、愛され続けるサービスをつくることができないのかなと感じました。

 

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汗汗の図

 

長々としゃべりましたが、結論は、

 

「愛され続けるサービスを作れるようになりたいです。」

 

 

以上です。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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